2023年7月18日
イベント
【イベントレポート】
第1回Meetup
こどもDXの今後の展望・課題を共有し、
企業の枠組みをこえた交流の場に
2023年3月20日に開催した協会設立総会以降、初めて、会員間での交流の機会として6月30日(金)にMeetupイベントを開催いたしました。
協会設立から約4ヶ月で98団体(正会員 70社、自治体会員 12団体、施設会員 6団体、賛助会員 3団体、個人会員 7名)にご入会いただいておりますが、今回のイベントは約100名が一堂に会する場となり、大盛況のうちに終えることができました。ご参加・ご来場をいただき、ありがとうございました。以下、当日の様子をレポートします。
こども家庭庁ご挨拶
こども家庭庁から長官官房審議官の黒瀬 敏文 様に出席いただき「こども家庭庁のこどもDXへの取り組み方針」「こどもDX推進協会に対する期待」についてご挨拶いただきました。
- こどもDXは、保護者など「利用者の事務負担軽減」と、保育など「現場の事務負担軽減」がポイント。特に「利用者の事務負担軽減」は急いで取り組まなければいけないと思っている。
- 民間の皆さんには、UI/UX、インターフェイスを中心に、プッシュ型で、利用者にとってわかりやすく情報を届けるところを担っていただきたい。
- こども家庭庁とこどもDX推進協会で、それぞれの会議体へ相互に参加している。今後もお互いに情報を共有しながら、ガイドラインを検討していかれることを期待している。
など、官民連携の重要性についてお話しいただきました。
協会運営方針の発表
続いて、こどもDX推進協会の活動状況の報告として「協会の運営方針」を代表理事の小池義則(株式会社コドモン 代表取締役)から発表しました。ミッション(私たちの使命)、ビジョン(私たちがめざす未来)に加えて、理事間で複数回に渡り議論してきたアウトカム(達成したい状態)を共有し、社会全体で子育てを支えるための環境整備の推進を呼びかけました。
活動状況の報告(施設DX委員会)
現在、協会では「子育てDX委員会」「施設DX委員会」の2つの委員会で政策提言やガイドライン策定に向けての議論を進めています。
施設DX委員会では、保育施設・地方自治体などの子育て支援に携わる方々の、事務負担の軽減やデータ連携の促進を目指して活動しています。引き続き、施設DX委員会の委員長を兼務する小池より、現在の具体的な検討事項と今後の進め方について報告しました。
活動状況の報告(子育てDX委員会)
子育てDX委員会は、こどもや保護者が必要な情報に素早く簡単にアクセスでき、様々な行政手続きをストレスなく行うことができる環境の整備を目指して活動を行っています。委員長の谷川一也(株式会社ミラボ 代表取締役)より、現在の具体的な検討事項と今後の進め方について報告しました。
トークセッション「 議員から見た『こどもDX』の課題や今後の展望」
ゲストとして山田太郎参議院議員に登壇いただき、こどもDXの最新動向や、議員目線での協会に対する期待をお伺いしました。
山田:こども家庭庁は難産を経てできた。政・官・民が協力して「こどもDX」を議論する日が来ると思わなかったので、感動しています。
――山田議員は自民党内で「こどもDX 小委員会」を立ち上げ、委員長を務めていらっしゃいます。この小委員会ではどのような議論がなされているのでしょうか?
山田:もともと、デジタル庁の大臣政務官として重点計画を策定するなかでこどもDXも入っていた。退任後、党のこども本部でもDXを主軸にしなければという話をして、今年の3月に提言書をまとめ、「こどもの見守りデータ連携実証事業」「電子母子手帳システム」「子育て家庭への行政手続きの利便性向上」「民間アプリの充実と連携」を特に充実が求められる施策としました。人口10万人以下の自治体はなかなかDXが進まないが、中央値は人口23,000人で小さな自治体が多い。自治体のサイズに合わせた「担い手の整備」をしっかりするべきです。
――こどもDX政策を進める上で感じている課題として、どのようなものがあるでしょうか?
山田:「マスターデータの場所がどこに置かれているか」「キーをどうするか」の2点があります。例えば、母子手帳アプリを作った場合、民間にマスターデータがあると、官が関与できない。システムには更新系と参照系があるが、マイナポータルで民間側は参照できるけど、民間側から更新ができない。民間側だけでデータ更新をすると、ずれが生じてしまう。一方、個人情報保護の観点で、官が持っているデータを民に簡単に渡せない。マイナンバーをキーにしたいが、色々制約があって自由に使えない。データのポータビリティも重要ですが、”官”だけではできないので、”政”の協力が必要不可欠です。
――最後に、山田議員が本協会に期待することや、具体的な連携イメージなどがあれば、教えてください。
山田:バラバラにやってしまうと困るので、どこが競争領域で、どこを国全体でまとめるべきか考えないといけない。現場を持っている民間の皆さんには、ガイドラインの作成などで、雛形や素案を考えてもらい、政官に迫ってほしい。今後、母子保健・幼保が合体する拠点となる、自治体のこども家庭センターの役割が重要になってくる。民間のアプリを使えば、こども家庭センターの機能が維持できると思っています。
ネットワーキング
トークセッションの後は立食形式での交流会を実施しました。自社の取り組みを発表したいと希望のあった14社から各3分間の自己紹介ピッチも開催し、発表後に、他の参加者と名刺交換される様子が数多く見られました。参加者の皆さんから「同じ目的をもった多くの方々と接触できた」「関係者と密に話せた」「皆様の熱量が高い魅力的な場でした」と感想をいただくような、熱気あふれる会となりました。
閉会挨拶
最後に、理事の上野公嗣(BABYJOB株式会社 代表取締役)から「課題の解決策を提示できる皆様方と一緒にこどもDXを進めていきたい。ひとつ差し出して、ひとつ持ち帰る。そんな場にしていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします」と呼びかけました。
総括
こどもDX推進の協働プラットフォームとして、初めて企画した会員間での交流の機会でしたが、「企業の枠組みをこえて取り組みたい」想いを持つ方が多く、今後の連携への期待が高まるMeetupとなりました。
参加者の方々から「保育業界、子育てのDXについて大変勉強になりました。また、このようなムーブメントは業界内外の方にもっと知ってもらいたい」「委員会での活動は、周期を短くスピード感を持って課題解決を見出す内容で、非常に良いと思いました」「横のつながりをさらに増やしたい」などの感想をいただきましたので、官・民などのセクターを越えて社会全体の力を集結し、こどもDXによって子育てを支えるための環境整備を推進してまいります。
会員募集について
一般社団法人こどもDX推進協会では、共にこどもDXを推し進める会員を募集しております。また、自治体・保育教育施設の方も入会可能です。ぜひ奮ってご参加ください。
詳細および申込みは、協会ホームページ内 入会案内をご参照下さい。