保育ICT協議会設立事例
令和6年度に協議会を設立された自治体様の事例をご紹介します。
ぜひご参考になさってください。
北海道帯広市保育ICT協議会
実施自治体 | 北海道帯広市(人口約16万人・世帯数約9万世帯) |
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設立主体社 | 帯広市、保育事業者(私立保育所など) |
運営主体者 | 帯広市、保育事業者(私立保育所など)、一般社団法人ICT推進協会 |
設立時期 | 令和6年9月 |
概要
- ここ数年に渡り、帯広私立保育園連絡協議会から帯広市に対し、保育ICTシステム導入に係る国の補助事業の早期活用に関する要望が寄せられるなど、もともと保育ICT導入に前向きな事業者が多い環境のなか、公立・私立を問わず地域全体でICT化を推進していくための手法として協議会活動を実施
- 協議会活動を通して保育ICT導入の気運がさらに高まったほか、帯広市の補助予算は令和6年度限りとなることが見込まれたため、それを早期にアナウンスをすることで、私立保育所におけるICT導入の後押しへとつながり、結果的にR6年度末までの保育ICT導入率100%を達成した
協議会構成と運営
- 構成メンバー:自治体、保育事業者(私立保育所など)、一般社団法人ICT推進協会
- 運営スタイル:研修会+個別相談会
※既存の私立園長会議(月1)を拡張する形で実施
設立のきっかけ
- 入所調整の仕組み上、保護者が第1希望として申し込んだ保育所に入所できるとは限らないため、入所する施設によって保育ICTを利用できる・できないという「デジタル格差」が生じないことが望ましく、公立・私立を問わず帯広市全体で保育ICTを推進していく、という考え方のもと、予算を編成した
- 一体的な取り組みの具体的な手法を模索する中で、保育ICTベンダーから協議会方式の提案を受けて検討をスタート
設立時に自治体として準備したもの
- 研修会の企画
※一般社団法人保育ICT推進協会に対し、研修会における講演および個別相談会の実施を依頼 - 研修会における補助金制度説明の準備
- 研修会の開催
協議会の活動 ※2024年9月〜
- 2024年9月20日に協議会を開催、私立保育所など全30園中23園が出席
- 上記以降、ICT推進協議会としての具体的な活動はないものの、既存の定例私立園長会議へ帯広市担当課も定期的に出席し、必要な情報交換を継続的に実施
- その中で、帯広市におけるICT導入の補助予算についてはR6年度限りのものとなることを早期にアナウンスし、補助を活用した早期(年度内)の導入を促した
- 令和6年度夏時点では20-30%の導入率であったが、協議会の活動等を通じて、令和6年度末時点で保育ICT導入率100%(市内42園(公立保育所・認定こども園含む))を達成
今後の計画
今後は利活用の促進やフェーズ2との接続に必要な取り組みを進めていく予定
小田原市保育ICT協議会
実施自治体 | 小田原市(人口約185,360人・世帯数約85,678世帯)※令和7年3月1日時点 |
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設立主体社 | 民間保育事業者、小田原市 子ども若者部保育課 |
運営主体者 | 小田原市 |
設立時期 | 令和6年5月 |
概要
- 市内の民間保育所等での保育ICTの導入に向けて取り組みを進めていきたいと考えていた
- 小田原市保育会(以下、「保育会」という。)の会合を毎月開催しているため、既存の保育会をICT協議会として位置付け、設置に至った
※保育会…市内の公立保育所及び民間保育所等のうち約9割(利用定員による割合)が参加している
協議会構成と運営
構成 | 保育会に、一般社団法人保育ICT推進協会から講師を派遣してもらった |
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運営体制 | 小田原市が事務局を担っている |
運営方法 | 対面 |
運営内容 |
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設立時に自治体として準備したもの
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事前準備
- 事前に協議会の併催を周知してから実施
- 保育ICTベンダーとの調整
- 一般社団法人保育ICT推進協会に講演を依頼
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事前に施設側のニーズをヒアリングし、講演に反映してもらう形で実施
- 具体的には「どのように導入すればよいのか?」「導入した後、どのように活用を広げていけばよいのか?」といった質問が多く、未導入園と既導入園の双方に対し話をしてもらった
協議会の活動 ※2024年5月〜11月まで
- 第一部を保育会、第二部を保育ICT協議会として開催した
- ICT協議会を実施した結果、参加した民間保育所等から補助金の活用方法など10件ほど市に問い合わせが来た
- 例年に比べ導入件数が多かったことから、ICT協議会の実施は一定の成果があったと評価している
- 2024年度に保育ICTを導入する施設を含めると、認可保育所15園、認定こども園1園、地域型保育5園、計21園となり、民間保育所等の半数で導入済みとなる。
今後の計画
- 現在も毎月開催している保育会では、民間保育所等からICTの議論が出ている
- 2025年度の活動の中で、今年度と同様のスキームの協議会を実施予定
その他
- 多くの民間保育所等では登降園管理を導入しているほか、保育記録については、保育士同士の情報共有に役に立った、保護者連絡については保育ICTを活用して楽になった、という声が多い
- 各ツールの具体的な導入率までは把握していない
- 公立保育所では、登降園管理、保育記録、保護者連絡等の機能を活用し、保護者が日々の保育の様子をスマートフォン等で見られるようにしている
金沢市保育ICT協議会
実施自治体 | 金沢市(石川県) |
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設立主体社 | 金沢市保育幼稚園課、保育事業者 |
運営主体者 | 同上 |
設立時期 | 令和6年5月 |
概要
金沢市では、こども家庭庁の補助金※1の嵩上げ制度をきっかけに、R6年5月に保育ICT協議会を設立
保育ICTの導入率は7割と全国平均の5割を上回っているが、更なるDX化に向けて、保育ICT協議会を活用中
協議会構成と運営
構成 | 金沢市保育幼稚園課(2名)保育事業者(3団体から1名ずつ参加で3名) |
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運営 | 年数回、対面またはオンラインで1時間程度の会議を行う |
設立のきっかけ
市内の保育団体さんから、金沢市保育幼稚園課へ働きかけがあったことから実現。
現場の方々と協議しながら、既存の園長会などではなく新規での協議会を立ち上げた。
設立時に準備したもの
構成員の名簿(Excel)
今回の制度は、従来にないほど自由度が高く、簡単に取り組めることが最大の利点でした。
協議会の活動 ※2024年5月〜11月まで
- 協議会の活動についての協議
- 勉強会の開催(キャッシュレスを取り扱う保育ICTベンダー2社から講義)
今後の計画
今後も現場の要望を汲み取り、適宜勉強会を開催、金沢市における保育ICTの利用をさらに推進し、保育現場の業務負荷軽減や保育の質向上に繋げていく予定。
二本松市保育ICT協議会
実施自治体 | 二本松市(人口約5万人・世帯数約2万世帯) |
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設立主体社 | 民間保育事業者、二本松市子育て支援課 |
運営主体者 | 二本松市役所 |
設立時期 | 令和6年6月 |
概要
二本松市では、民間保育施設含めた地域のICT化導入の促進を目的に、2024年6月に保育ICT協議会(保育ICT化支援フォーラム)を新規で設立・開催
協議会構成と運営
構成 | 二本松市役所 子育て支援課、民間施設 10施設(市内13施設のうち) 園長先生、事務員・事務長など約20名が参加 |
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運営体制 | 二本松市役所 子育て支援課が企画、召集、実施を担当 |
運営方法 | 対面とオンラインで実施(90分) |
内容 | 補助金の説明会、一般社団法人保育ICT推進協会の講演(オンライン)の二部構成で実施 |
設立のきっかけ
現状、一部の施設しかICT化が進んでいない状況(リテラシー不足※、そもそも何をしたらよいのか分からないなど)であったところ、単純な補助金だけではICT設備の導入が進まないことから、全体的な知識を得る機会として協議会を発足
※保育ICTの名称は聞いたことあるが、具体的な中身をよく分からないという園や先生が多い印象
設立のための働きかけ
二本松市役所 子育て支援課から、市内の保育施設へメールでお声がけした
設立時に自治体として準備したもの
- 会場手配、オンライン機材、会場運営
- 補助金説明の準備
- 一般社団法人保育ICT推進協会に講演を依頼
担当者コメント
協議会の定義が広く、自由度が高いことから、何をしたらよいのかからメンバーで協議し、保育ICT推進協会さんに講演会の実施を相談しました。
協議会の活動 ※2024年5月〜11月まで
- 保育ICT推進協会の説明(「そもそも保育ICTとは?」「保育ICT化の効果」)が分かりやすく、日々の業務で効率化できるイメージを持ってもらえた
- 協議会の実施後に、民間保育施設(4施設)でICTの導入に向けて準備が進んでいる(いずれの施設も補助金を活用)
担当者コメント
年度末までに提出する実績報告書で記載予定です。- こども家庭庁に事前に確認したり、現在までに問い合わせは行なっておりません。
- 公立保育施設のICT導入も今年度自治体が中心になって進めている
今後の計画
今年度の実績は二本松市としても評価しており、来年度も継続的に実施したいと考えている(実施形態は検討中)