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保育ICTの導入・活用事例

保育ICTをこれから導入しようとお考えの施設様、および、導入を推進していきたい自治体のご担当者様に、保育ICTの導入の状況、および活用事例についてご紹介します。

はじめに~保育ICTの導入状況について~

令和5年3月における全国の保育施設を対象とした調査によると、保育施設におけるICT導入は機能ごとに徐々に進んできている傾向にあります。

出典:「保育分野におけるICTの導入効果及び普及促進方策に関する調査研究 報告書」令和5(2023)年3月、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、P.46より全体数を抜粋・作図

ICT導入に際し、つまずきやすいポイント

一方で導入のハードルになっていること、導入後の活用にはまだ課題があるとされており、導入においてつまずきやすいポイントは主に下記の5つに分けることができます。

つまずきポイント 1.資金的な不安がある

解決策:導入のための資金的な支援を活用する

未導入の園については、国による補助金(下記)が活用できる可能性があります。施設が所在する自治体の窓口へ以下の補助金が活用可能か、確認してみましょう。

  • 保育所等におけるICT化推進等事業
  • 保育環境改善等事業(午睡センサー等が対象)

つまずきポイント 2.誰に聞けば良いかわからない

解決策:自治体や事業者へ問い合わせをする

補助金については自治体へ、具体的なサービス内容等についてはサービスの提供事業者へ問い合わせをしましょう。

問い合わせ先
  • 施設が所在する自治体(保育施設運営関連について所掌する部署)
  • ICTサービス提供事業者(一般的には事業者のサポート窓口があります)
  • 保育商社(園に対し保育用品等を販売する会社)

つまずきポイント 3.何からすればいいかわからない

解決策:オンライン研修等を受け、導入の目的等を明確に持つ

民間事業者等が実施するオンライン研修を導入前・中・後に受け、園の事情に合った導入をしましょう。

オンライン研修の受講(導入前・中・後)
  • (前)保育方針の確認・業務改善に関する優先順位や実施事項の決定
  • (中)ICT実践前の必要な準備・計画・設定等
  • (後)効果的な活用や課題を乗り越える研修

つまずきポイント 4.決裁者の理解を得られない

解決策:導入のメリットを説明する

ICT導入には資金的な支援(つまずき1参照)を活用できる可能性があることを伝えた上で、ICT導入が園が抱える課題解決に貢献する点について説明することも一案です。

ICT導入効果(例)
  • 書類作成・電話等の負担を軽減でき、ペーパーレス化により経費節減にもつながること
  • 保育の質の向上に貢献すること
    • 子どもと接する時間の増加
    • 保育の振り返り時間の確保
    • より丁寧な一人ひとりの成長見守り等
  • 保護者とのコミュニケーションも円滑になること

つまずきポイント 5.現場の保育者の理解を得られない

解決策:使いやすく、保育の質の向上にも貢献することを説明する

「今の仕事が否定されるのでは」「操作が難しそう」と心配される方が多いようです。導入の目的と内容についてオンライン研修を受けたり(つまずき3参照)、責任者等から丁寧に説明する場を設けたりしてはいかがでしょうか。また、以下についても説明すると良いと思われます。

  • 現在の業務の否定ではないこと(全てをICT化する必要はありません)
  • 使い方は難しくなく、やがて慣れる人が多いこと疑問点があればすぐに聞ける人(窓口)がいること
  • 保育の質の向上面でも効果的になり得ること(子どもと接する時間の増加、保育の振り返り時間の確保、より丁寧な一人ひとりの成長見守り等)
出典:「保育所等におけるはじめてのICT活用ハンドブック」令和5(2023)年3月、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、P.17-18より

「保育所等におけるはじめてのICT活用ハンドブック」のご紹介

これらの流れを受け、厚生労働省(現・こども家庭庁※1)の調査研究事業の一環として、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社が2023年3月に『保育所等におけるはじめてのICT活用ハンドブック』を発行しました。

こどもDX推進協会の理事企業(ユニファ社)は、保育ICTの導入・定着にあたっての知見を本ハンドブックに提供しています。
アンケートやヒアリング実施に関わる知見の提供やコーディネート等にも携わった他、同調査研究の一環として作成された「保育所等におけるはじめてのICT活用ハンドブック」(以下「本ハンドブック」)作成をリードしました。
※ユニファは、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社より委託を受け参画しました

本ハンドブックは、ICTの導入・活用に対する苦手意識や抵抗感を減らし、導入・活用を促進する一助となることを目的にしており、保育分野におけるICTに関する知見を活かしつつ、大豆生田啓友先生(玉川大学教育学部教授)を座長とした有識者会議の委員の方々や、厚生労働省(当時)の皆様からもご助言をいただきながら、保育分野におけるICT導入・活用に関してまとめています。

同調査における有識者会議の座長を務められた有識者からのコメント

これからICTの導入・活用を考える保育現場のみなさまにとって、とてもわかりやすい内容となっているのではと思います。
このハンドブックがたくさんの方に届けられ、ICT活用が広がり、保育の質向上につながることを願うばかりです。

大豆生田啓友先生(玉川大学 教育学部 教授)

保育所等におけるICT化推進等事業(令和5年度補正予算)
補助金対象となる機能におけるICT導入・活用事例のご紹介

ハンドブックで紹介されている導入・活用事例は、保育所等におけるICT化推進等事業補助金対象機能以外についても紹介されています。保育ICT補助金対象機能の導入検討をされる場合、まずは一般社団法人こどもDX推進協会にて作成した、保育ICT補助金対象機能の導入・活用事例をご参考下さい。

保育ICT補助金対象機能の導入・活用事例

「保育ICTを導入すると保育施設の業務はどう変わる?」